散る頃に咲く花

青葉は怪訝そうな顔をしたが、これ以上注文を付けられても困るので、何も言わなかった。

屯所に着くと、早速夕餉の準備を始めた。

夕餉が終わっても、二人だけになることはなかったので、京の言葉を使わずにすんだ。

片付けを終えて部屋に戻ろうとすると、

「青葉ちゃん」 

「沖田様」

沖田に話し掛けられた。

「金平糖、まだ残ってる?」

「いえ、悪くなるといけないので、もう頂いてしまいました」

そう答えると、沖田は笑顔になった。

「じゃあ、追加あげるから、僕の部屋おいでよ」
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