【続】うしろの席の鈴木くん。
「これ、副担の中田に渡してくれって頼まれた」
「えっ……?」
てっきり別れ話をされると思っていた私は
ストンと一気に肩の力が抜けてしまった
(別れ話じゃなかった……)
ほっと胸をなでおろしたのも束の間
鈴木くんの方に目を向けた瞬間
私の脳裏に浮かんだのは
鈴木くんの笑顔じゃなく、あの女の人
(そうだ、鈴木くんは私より
あの人が大事だったんだった……)
一瞬でもほっとしてしまった自分自身に
虚しさと寂しさを感じた