迷宮ラブトラップ
五月
「新しい店舗を探すことになった。」
いつものように店に行くと、遼也がそう話出した。
どうやら今のビルのオーナーが建て替えのため退去を要求してきたらしい。

経営のことも不動産のこともわからない瑞香は、ただ話を聞く事しか出来なかった。

いつものように飄々として、治療の後に身体を求めてくる遼也に、瑞香は身を委ねていた。

「楽しい?」
「旦那とは何回した?」

どうにも遼也と感覚が違うように瑞香は思った。
瑞香は逢える事が幸せで、身体の繋がりは二の次だった。
ましてや遼也に旦那との夫婦生活なんて聞かれたくなかった。
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