迷宮ラブトラップ
九月
色んな偶然が重なって、瑞香の友人の結婚式の前日に遼也と一緒に過ごせる事になった。
最初は夜まで、という話だったのに、当日になって
「やっぱり泊まる」
と遼也が瑞香を抱き締めて言った。
シングルで部屋をとると遼也に言われた時、遼也には自分に対する気持ちがそんなに無いのかもしれないと瑞香は思った。
だから、遼也に依存しすぎないように急遽翌々週からのパートを決めていた。
少しでも気が晴れるようにと長男の通っている少林寺へも顔を出すようになった。
それなのに
瑞香の気持ちを知ってか知らずか遼也は突然泊まると言い出した…
嬉しい反面、戸惑いも強かった
このまま遼也と関係を持っても良いのだろうか…
遼也は一体、自分との事をどう考えているのだろうか…
結婚式に出るためボディシェイプを依頼しており、出掛ける前に施術を受ける予定だったが、いつものように遼也が外に出ている間に服を脱ぐ筈が、遼也は瑞香の服を脱がしだした。
恥ずかしがる瑞香をよそに、遼也はいつもなら履いたままのショーツまで脱がしてしまった。
「本当はこの方がいいんだよ」
本当とも冗談とも取れる事を言いながら、遼也はニヤリと笑った。
タオルケットは掛けてもらったが、下半身がスースーとして落ち着かない。
それでも遼也は仕事人の顔になって施術を始めた。
こうなったらもう仕方ないとされるに任せる事にした瑞香だったが、時折キスをしたり施術とは違う触り方をして遼也は瑞香の反応を楽しんでいる様だった。
「行く前に抱いてもいい?」
施術が終わって遼也にそう囁かれた時、これだけは聞いておきたいと瑞香は遼也に尋ねた。
「他にも…いるの?」
「いたらどうする?」
「いなかったらどうする?」
遼也ははぐらかしているようにも見えた。
自分でも答えがどちらでも関係ないような気がした。
けれど、知っておかなければいけない気がしていた。
ぽつりぽつりと遼也は語った。
迫られて関係を持っている相手がいること。
遠くにいるため月イチ程度の付き合いであること。
「その人と瑞香に対する気持ちは違うから。」
そう言われて何となく嬉しくなって、瑞香は
『この人を受け入れよう』
そう決めてしまった。
服を脱いだ遼也が、おもむろに瑞香の上に乗ってきた。
例え遼也は遊びかもしれなくても、瑞香は遼也と繋がりたいと思った。
自分の気持ちは本物だと何十年も経ってから証明出来たらそれでいいと思った。
遼也は一回目なのに何の躊躇もなく瑞香の陰部を舌で愛撫した。
そして瑞香にも遼也のものを舐めるよう促した。
軽い前戯を楽しんだ後、遼也はゴムを付けて瑞香の中に入ってきた。
夫のものより太さのある遼也のそれは、それでも焦らすようになかなか奥まで入ってきてはくれず、思わず瑞香は
「もっと奥まで」とせがんでしまった。
数種類の体位の後、遼也が果てた。
身支度を整えて二人で駅まで向かった。
新幹線に乗って、ようやく一息付く。
『二人でいるときは恋人みたいに。』
そう言われたものの、やはり地元では知り合いに会う可能性もあるため気は張っていたようだ。
東京駅に着いて、東京に慣れていない瑞香の為に遼也は駅の中を案内してくれた。
一通り案内した所でホテルのチェックイン時間に近くなったので、電車に乗ってホテルの最寄り駅まで向かった。
ホテルに着いて、シングルの部屋をダブルに変更してもらった。
部屋に荷物を置いて、早速外に出る事になった。
遼也の中では今日のプランは大体決めてあるらしく、手始めに近くの湯島聖堂と神田明神を梯子した後、そのまま秋葉原へと向かった。
瑞香は結婚してからだいぶ歩くようになったので体力的には問題なかったのだが、この日の為に新調した靴が足に合わず、あちこち靴擦れをおこしていた。
けれど、ここでホテルに戻るのは勿体ない気がして、必死に歩いていた。
それを知ってか知らずか、遼也はずっと手を繋いでいてくれた。
秋葉原の雰囲気を楽しんだ後、アメ横方面に向かう筈が、気が付いたら泊まるホテルの裏まで来てしまっていた。
遼也はしっかりしているようで、意外と抜けている所もあるようだ。
そろそろ夕飯の時間の為、丁度遼也の行ったことのある寿司屋が近くにあるからと連れて行ってもらったが、あいにく休みだった。
仕方がないのでアメ横方面に歩いていくと湯島天神へと出た。
二人でいることは秘密なので写真は出来るだけ撮らないようにしていたが、建物と庭の綺麗さにここだけ瑞香は写真におさめた。
アメ横は人の賑わいがすごく、とても食事をとれそうな状態ではなかったが、通りの端まで行ったところで遼也が棒に刺したパイナップルを買ってくれた。
「ここに来るといつも食べるんだ」
遼也の日常を少しだけ分けてもらえたようで、瑞香は嬉しかった。
結局上野駅まで歩いて来てしまった。
夕飯はそのまま上野駅に入ってる寿司屋に入った。
値段の割にネタの味がまあまあで握りの甘い寿司に遼也は不満げだった。
「さっきの店に瑞香を連れて行きたかった。」
それでも、瑞香は充分幸せだった。
最初は夜まで、という話だったのに、当日になって
「やっぱり泊まる」
と遼也が瑞香を抱き締めて言った。
シングルで部屋をとると遼也に言われた時、遼也には自分に対する気持ちがそんなに無いのかもしれないと瑞香は思った。
だから、遼也に依存しすぎないように急遽翌々週からのパートを決めていた。
少しでも気が晴れるようにと長男の通っている少林寺へも顔を出すようになった。
それなのに
瑞香の気持ちを知ってか知らずか遼也は突然泊まると言い出した…
嬉しい反面、戸惑いも強かった
このまま遼也と関係を持っても良いのだろうか…
遼也は一体、自分との事をどう考えているのだろうか…
結婚式に出るためボディシェイプを依頼しており、出掛ける前に施術を受ける予定だったが、いつものように遼也が外に出ている間に服を脱ぐ筈が、遼也は瑞香の服を脱がしだした。
恥ずかしがる瑞香をよそに、遼也はいつもなら履いたままのショーツまで脱がしてしまった。
「本当はこの方がいいんだよ」
本当とも冗談とも取れる事を言いながら、遼也はニヤリと笑った。
タオルケットは掛けてもらったが、下半身がスースーとして落ち着かない。
それでも遼也は仕事人の顔になって施術を始めた。
こうなったらもう仕方ないとされるに任せる事にした瑞香だったが、時折キスをしたり施術とは違う触り方をして遼也は瑞香の反応を楽しんでいる様だった。
「行く前に抱いてもいい?」
施術が終わって遼也にそう囁かれた時、これだけは聞いておきたいと瑞香は遼也に尋ねた。
「他にも…いるの?」
「いたらどうする?」
「いなかったらどうする?」
遼也ははぐらかしているようにも見えた。
自分でも答えがどちらでも関係ないような気がした。
けれど、知っておかなければいけない気がしていた。
ぽつりぽつりと遼也は語った。
迫られて関係を持っている相手がいること。
遠くにいるため月イチ程度の付き合いであること。
「その人と瑞香に対する気持ちは違うから。」
そう言われて何となく嬉しくなって、瑞香は
『この人を受け入れよう』
そう決めてしまった。
服を脱いだ遼也が、おもむろに瑞香の上に乗ってきた。
例え遼也は遊びかもしれなくても、瑞香は遼也と繋がりたいと思った。
自分の気持ちは本物だと何十年も経ってから証明出来たらそれでいいと思った。
遼也は一回目なのに何の躊躇もなく瑞香の陰部を舌で愛撫した。
そして瑞香にも遼也のものを舐めるよう促した。
軽い前戯を楽しんだ後、遼也はゴムを付けて瑞香の中に入ってきた。
夫のものより太さのある遼也のそれは、それでも焦らすようになかなか奥まで入ってきてはくれず、思わず瑞香は
「もっと奥まで」とせがんでしまった。
数種類の体位の後、遼也が果てた。
身支度を整えて二人で駅まで向かった。
新幹線に乗って、ようやく一息付く。
『二人でいるときは恋人みたいに。』
そう言われたものの、やはり地元では知り合いに会う可能性もあるため気は張っていたようだ。
東京駅に着いて、東京に慣れていない瑞香の為に遼也は駅の中を案内してくれた。
一通り案内した所でホテルのチェックイン時間に近くなったので、電車に乗ってホテルの最寄り駅まで向かった。
ホテルに着いて、シングルの部屋をダブルに変更してもらった。
部屋に荷物を置いて、早速外に出る事になった。
遼也の中では今日のプランは大体決めてあるらしく、手始めに近くの湯島聖堂と神田明神を梯子した後、そのまま秋葉原へと向かった。
瑞香は結婚してからだいぶ歩くようになったので体力的には問題なかったのだが、この日の為に新調した靴が足に合わず、あちこち靴擦れをおこしていた。
けれど、ここでホテルに戻るのは勿体ない気がして、必死に歩いていた。
それを知ってか知らずか、遼也はずっと手を繋いでいてくれた。
秋葉原の雰囲気を楽しんだ後、アメ横方面に向かう筈が、気が付いたら泊まるホテルの裏まで来てしまっていた。
遼也はしっかりしているようで、意外と抜けている所もあるようだ。
そろそろ夕飯の時間の為、丁度遼也の行ったことのある寿司屋が近くにあるからと連れて行ってもらったが、あいにく休みだった。
仕方がないのでアメ横方面に歩いていくと湯島天神へと出た。
二人でいることは秘密なので写真は出来るだけ撮らないようにしていたが、建物と庭の綺麗さにここだけ瑞香は写真におさめた。
アメ横は人の賑わいがすごく、とても食事をとれそうな状態ではなかったが、通りの端まで行ったところで遼也が棒に刺したパイナップルを買ってくれた。
「ここに来るといつも食べるんだ」
遼也の日常を少しだけ分けてもらえたようで、瑞香は嬉しかった。
結局上野駅まで歩いて来てしまった。
夕飯はそのまま上野駅に入ってる寿司屋に入った。
値段の割にネタの味がまあまあで握りの甘い寿司に遼也は不満げだった。
「さっきの店に瑞香を連れて行きたかった。」
それでも、瑞香は充分幸せだった。