春夏秋冬、ときめいて
これで、何回目だろう。


こうなってくると、商品券がどうの、という問題では無くなってくる。


『セロリ』ってやつが、どうにかしてあたしの投函したものを入手しているとしか思えない。



……よし。今日こそ、聞いてみよう。


あたしは、店内のカウンターに目を向けた。


バイトが1人、ごそごそとこちらに背を向けて何かを整理している。


「あの……すみません」


「はい?」


振り返った男は、肩までボサボサと伸びた脂っぽい髪の毛がいかにも不潔そう。


黒いエプロンは、妊婦のようにパツンとお腹の辺りが張っている。


事務的な会話でもご遠慮願いたいレベル。


よくこの清潔感の無さで接客業してるなー、この人……。
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