春夏秋冬、ときめいて
きっかけはひょんなことだった。


同期入社した32人のうち、5人が同じ支店に配属された。


4月に入社して、歓迎会と称した飲み会が連日続き、俺達は疲れていた。


新入社員は、何だかんだと帰してもらえず、いつも終電ギリギリになった。


同じ方面で電車を逃した俺、斎川脩悟と、棚田哲(タナダサトル)と、岡野菜緒(オカノナオ)は、3人でホームで途方に暮れた。


「……どーするよ?」


口火を切ったのは棚田だった。


「3人で飲み直すか?」


答えたのは俺だった。


自然と、俺達は間にいた岡野さんに視線を送った。


俺達はどうとでもなるけど、岡野さんは、女子だし。
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