春夏秋冬、ときめいて
て、言うか。


ただの女子なら構わないんだけど。


岡野さんは、同期で断トツ一番人気の美人さんだ。


同期に限らず、色んな先輩が岡野さんを一目見ようと、出張だの、近くに営業に来ただのと理由をつけてはうちの支店にやって来た。


岡野さんは、あまりはしゃいだり、声を張るタイプではないので、その都度、静かに困っていたようだった。



だから、今。


終電を逃し、同期の男二人に囲まれる、というあまり喜ばしくない状況を、岡野さんがどんな風に捉えているのか、俺……いや、俺達にはわからなかった。


< 14 / 122 >

この作品をシェア

pagetop