春夏秋冬、ときめいて
あたしの戸惑いをよそに、杏ちゃんのトークは続いた。


「桜が笑うなんて、本当に素敵」


あたしは、この人ゴリゴリに男子っぽいけど、もしかしてボーイッシュな女の子??と思って見ていた。


「あ、ごめん。自己紹介もせずに。宮田杏介です」


……キョウスケ。


その響きは……どうやら男子。



だけど、戸惑ったのは初めだけで。


すぐに、その杏ちゃんの明るさ、優しさ、面白さの虜になった。


あたしだけじゃなくて、クラスの皆……いや、学校の皆が。
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