春夏秋冬、ときめいて
杏ちゃんは、男女問わず人気者だ。


あたしがそう思うように、誰もが杏ちゃんといると幸せな気持ちになる。


例えば告ったところで、何にもならないのは分かっている。


だけど、フラれたら終わりにすることが出来るんじゃないかなって。


そうしたら、今度こそ、杏ちゃんを良い友達としてみることが出来る。


不意のハグや、至近距離でのヒソヒソ話や、際どいボディータッチにもどぎまぎしないですむ。


杏ちゃんの屈託のない笑顔を見ていると、あたしは自分の心のどす黒さが際立つようで、辛いのだ。
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