春夏秋冬、ときめいて
「外、暑かったですもんねー」


ニコニコしながら奥からビール瓶のケースを運んでくる。


あたしは、輸入食材も一緒においている、大きい酒屋でバイトをしている。


他にも、レンタルショップでもバイトをしていて、シフトの折り合いが丁度よかったのでこの店を選んだ。


別に、お酒が好きな訳でもなんでもない。


……咲哉君に至っては、自分はまだお酒が飲めもしないのに、なんで酒屋でバイトなんてしてるんだろう。


……しかも、楽しそうに。


「ねぇ」


「はーい?」


手を止めて、咲哉君が振り向く。


あたしと目線が同じだから、身長は、そんなに高くない。


弟みたい。
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