ー君は俺の光ー[1]

俺には疑問符しか浮かんでこず、ただ先輩を見る事しか出来なかった。




「そんなに見られるとテレるでしょ?早く教室入らなきゃ。」



「あっ…すいません…。」



「ふふっ。いいよ。ほら、早く入って?」




そう言って踵を返し、スタスタと元来た道を戻る先輩。




「…はい。あの…ありがとうございました。」




振り向かずに「またね。」と言ってヒラヒラと後ろ手に手を振られた。



俺は「またね。」と言われた事を然程気に留めずに音楽室へと入った。


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