志ーこころー 【前編】─完─
変化についていけないくらい、それは濁流のように起きて。
あたしの今までの人生のなかで一番に幸せなことがたくさん起きた日だった。
なぁんだ。
あたしは、縁側に腰を降ろす。
人と関わることを避けていたあたし。
人の温もりを知ってしまったあたしは、前のような生活を、果たしてできるのだろうか
志乃「(できない……)」
そうだ。
きっと、もう戻ることができない
でも今なら……まだ間に合うかもしれない
今なら……辛い思いは小さくて済むかもしれない
あたしは屋根まで一気に飛びのぼった
志乃「(あたしは、みんなを導けるだろうか)」