志ーこころー 【前編】─完─
山崎「……それは、あんさんが知ってるって言う未来の話か?」
……こいつは聡い
一瞬の隙を見て、一瞬で感じ取ってしまう……
志乃「……あんたは鋭いね」
山崎「……だてに監察方やっとらんでな……」
あたしは仰向けの状態からごろんと横に転がって、山崎に背を向けた
志乃「……あたし、怖いんだ」
ぽつ、ぽつと、言ってみた。
志乃「もう人が死ぬところ、見たくないってくらい見てきたんだ。……大切な人が側で死んでくんだよ。」
視界がぼやけてきた
志乃「あたしは何もできなかったんだ。……なんにも。…………どれだけ悔しくて……………………怖かったか……。」
沈黙がつづいた
山崎はなにも言わずに聞いてくれていた
きっとあたしの喋ったこと全部土方に話すのだろう