志ーこころー 【前編】─完─
ーーーーそれでもいい
志乃「だから、看護師になって助けようと思ったんだ。
……でもやっぱり向いてないって思った。
だって、患者さんが死ぬところを、見なきゃいけないもの……。」
山崎「……」
志乃「……だから人と関わることを……ずっと避けてきた。」
……怖いから。傷つきたくないから。
そうやって守ってきたのだ。この17年という短いけれど、つらかった日々。
志乃「……昔話を、しようかな。」
相変わらず何も言わない山崎。
けれど、その顔がひ悲愴な顔をしていることを、あたしは知っている。