志ーこころー 【前編】─完─
一人残されたお父さんは深く悲しんだ
でも、あたしを育てるためには前を向かなくてはならなかった。
立ち止まっている暇など、なかった。
父さんは、あたしを育てるために必死で働いた
……あたしが3歳になるとき、お父さんが倒れた。
原因は”過労”だと。
あたしは保育園にかかってきた連絡を聞いて、すぐに病院へ向かった。
お父さんは元気そうだった。
父「よう!志乃。
お前保育園抜けちゃったのかぁ~。
そんなに心配することじゃないって言ったのに……。
大丈夫だ、父さんはお前を置いて逝かないよ。
安心しろよ」
そういって、にっと笑った
幼いあたしは、心配することなど何もなかった。