志ーこころー 【前編】─完─
あたしは、瞳の色が違う
お母さんも、この色の瞳をしていたそうだ。
まだ見たことないお母さんとの唯一の”絆”
小さかったあたしは単純に嬉しかったんだ
あたしとお母さんだけの繋がり。あたしはお母さんが居なくても絆はちゃんとある……
それに、あたしは特別なんだって舞い上がってた
人とは違う瞳の色に、幼いあたしは特別だと思っていた。
だけど
周りの人間からしたら気味が悪いことを知らなかったんだ
はじめはちょっとしたきっかけ
……あたしは、いじめられていた
父さんの知らないところで、……友達から、先生から、近所のおばさん、おじさん、……みんなから、一歩引かれて見られていたんだ
そのことに気づいたのは3歳……ちょうど父さんが倒れた頃だったんだ
面と向かって悪口を言われるわけでもないけど……どういう目で見ていることくらいがたった3歳でわかるほど……そんな感じだった