志ーこころー 【前編】─完─



多分だけど



父さんは過労なんかじゃなくて、ガンだったと思う。






会う度にどんどんやつれていき、骨と皮になっていった






真っ黒だった髪の毛はいつの間にか抜け落ちて、つるつるになっていた






それでもあたしが疑わなかったのは





父「また来たのかぁ!うんうん、お前は父さん想いのいいこだなぁぁぁ!!!」





父「志乃ー!父さんの頭どうだ?イケてるだろ!これでシャンプーいらずってな!ガハハハハ」







いつもいつも元気だった父




いつもあたしのために嘘をつき続けた父






そんな父が大好きだった






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