志ーこころー 【前編】─完─
梢「……あんた、なに死のうとしてる訳?
死ねば楽になれるとでもおもったの?
……馬鹿ねぇ、そんなことを思う人間は愚かよ。大馬鹿よ。
……残された人間の気持ち、あんたがよくわかってるんでしょう?
だったらなんでこんなことしたの!?
あたしを置いていこうなんて、いい根性してるじゃない……。」
姉さんは、あたしの変化に気づいていた
だんだんと虚ろになってゆくあたしの目を、見逃さなかった
梢「次こんなことしたら
……あんたを追っかけてあたしも逝くよ?
……それが嫌なら生きなさい。
あんたに害をなす奴らなんかよりも、あんたを大切に思ってる奴を大事にしてよ……。」
あたしは泣いた。
おばさんは不器用だけど、真っ直ぐに伝えようとしてくれている……。
死ぬことでしか恩返しが出来ない、卑怯者のあたしは、ただただ、泣いて謝るしか、出来なかった。