志ーこころー 【前編】─完─



山崎「落ち着いたか?」









耳元で聞こえる声








志乃「………………ぉぅ」








あたしは泣いてたことで気づかなかったが、山崎に抱かれているではないか







その事実に気づいたとき、どうしていいのかわからないのと恥ずかしいのと、話したことで自分が丸裸になったような感じがして









志乃「(……気まずい……)」







さっきからひたすら気まずい






これはもー、どーしよーもないくらい気まずい







山崎も山崎でいつ離していいのかもわからない、みたいな顔してるし








でもこのまま引っ付いてるのもなんか……な






めちゃめちゃ迷惑じゃね??







─select─


・そのまま

・離れる









・離れる←ピコン









あたしは離れるを選んだ









さりげなーく、あたしは離れた









志乃「…………」


山崎「………………」









……おう、こうなるわな








志乃「じゃ、あたし戻って沖田に飴やんなきゃいけないから」







屋根から飛び降りて、振り返る





あたしは努めて笑顔をつくった








そのまま山崎はあたしに「いっておいで」







とだけ言って、しばらく動こうとはしなかった












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