志ーこころー 【前編】─完─
志乃「ん?」
涼むべくあたりを散歩していたら目に入った古いアンティークショップ
なんか……和だなぁ……
ってかこんな店あったっけ??
志乃「ま、いっかぁ〜涼む場所発〜見」
アンティークショップは平屋のようで、建物は低くて広々として涼し気
風鈴の音が風流ですなぁ〜
ーーーーリン……
お店のご主人らしき人が見当たらない
志乃「(勝手に見てもいいのかな)」
あたしは扉をすこ〜し開けて、隙間から顔をのぞかせた。
陽の光が窓ガラスから射し込んでいて、埃がキラキラと舞っている
埃って、こんなに綺麗だったっけ…?
……別世界……
そんな言葉がひらめいた。
そこは気味の悪いほど静かな場所だった
東京の都心からそう離れていないこの場所は、どこか人里離れてる気がする。
志乃「……いいな、こんなに静かで、誰もいない……」
ぼつりと、誰にいうでもなく口から出た言葉。
その言葉を吸収するかのように、風鈴が鳴る