志ーこころー 【前編】─完─
あたしの希望
目が覚めると、あたしは見知らぬ部屋にいた
周りを見渡す
あたしの枕元に置かれた書物
それが昨日の出来事を物語っていた
そうだ、今日は昨日の続きなんだ
キュウッ……と、胸が苦しくなる感情を押さえ込んで、身支度をした
梢さんのお世話になるのだから、あたしも働かなくては
そして陰ながら彼らを支えられる術(すべ)を見出す
キュッと髪を結んで、あたしは道着に袖を通す