志ーこころー 【前編】─完─
あたしはお箸を手にとった
この雲のようにイマイチ掴めない人と、この暑い中鍋をつついている
やっぱり……
坂本さんは掴めないなぁ~……
フーフーと息を吹きかけて覚ましている坂本さんの顔を見ていたら、なんだかあたしまでお腹が減ってきた
志乃「いただきます」
─パクリ
ぱあぁぁぁぁぁぁ……
な、なんじゃこの旨さは……ッ!!!!
あたし、幸せ~……
思わず頬が緩む
坂本「モグモグ、……モグモグ、ゴックン……うまっ!のう!志乃!……ってありゃ、おまんも軍鶏鍋の虜か!」
はっはっはっ!と豪快に笑う坂本さんをよそに、あたしはガツガツと食べまくる