志ーこころー 【前編】─完─
あたしは電撃を食らったかのようにピシッと起き上がった
とたん、ふいに涙が出てきた
少し前までは、こんな風にしてたんだっけ……
志乃『おばさん…………おねぇさん…………』
あたしはおばさんに泣きついた
おばさんは驚いた顔をしていたが、あたしをそっと抱きしめた
暖かい……
ずっと……ずっと怖くて、恐くて、淋しくて……
この温もりをもう二度と感じることができないと悟った2年前の出来事が、まるで嘘のようだ
『……ごめんね、一人にして』
志乃『ううん!あたしは大丈夫だった!!……それより、おばさんなの?ここへあたしを飛ばしたのは』
あたしは甘え声でおばさんに聞いた
数年前と変わらないおばさんに、あたしは身の全てを委ねた