志ーこころー 【前編】─完─
中岡「………………よかった…………」
志乃「……へ?」
そう言うと、中岡はヘナへなとその場に座り込んで、あたしを思いっきり抱きしめた
突然のことで、あたしはされるがまま
中岡「痛いとこはないか?!気分はまだ良くないか?!どこが痛い?!言ってみろ!!」
まくし立てる様な口調とは裏腹に、中岡の手のひらは、あたしの背中を壊れ物でも扱うかのように、そっとさする。
驚きのあまり、声も出せなかったあたしだけど、今なら言ってもいいような気がする
志乃「……ありがとう。心配してくれて」
あたしは、抱きしめられているせいで、中岡には見えないけれど、変わりに正面にいる坂本さんに微笑んでみせた
坂本さんは、そんなあたしと中岡をみて、あたしにちょっとぎこちないウインクを送って、微笑んだ