志ーこころー 【前編】─完─
どれくらいたったのだろう
ひたすらぼーっとしていたあたしは
一冊の本を見つけた
志乃「なにこれ」
かなり古ぼけて、うっすらとしかみえない墨で書かれたと思しき一冊の本
ちょっとした好奇心から、古ぼけた本を手に取り、パラパラとめくってく
志乃「んー、なになにィ〜……
なんだこれ」
本だとおもって開いたらなんと中身は白紙
そこには黄ばんだ紙しかなかった
志乃「なんだぁ……もっといいもんだと思ったんだけどなぁァ……」
この本を手に取るとき、ざわざわと体が感じたのだが……
ただのあたしの気のせいのようだ
いつしか汗もすっかり引いて、黒くて長い髪の毛もサラサラと乾いている
もーすぐ稽古の時間だ
志乃「行かなきゃ」
志乃は本をもとの場所にもどして店をあとにした
ーーーーだから志乃はしらない
本が光につつまれていることを……