志ーこころー 【前編】─完─


ー平助sideー



平助「総司ーー!!」




まさか……そんなこと……あっちゃだめだよ……



総司がこんな子供にやられるなんて……



あの子供の持っている竹刀がもし真剣だったら……



思うだけでぞっとする




「……通せよ……」



消えそうな、でも怒りに満ちた静かな声で少年が言う



平助「……無理。きみをただでは返せなくなった。」


ギッ……

刀を握りなおす

あの総司がやられたんだ、油断は絶対ならない


「もう!なんなんだほんとにっ!!


あたしをどーする気なんだよっ!ロリコンかっ!!お前らはーっ!!」



訳のわからないことを喚きながら、半ばやけくそで踏み出した子供は、


一気に迫ってきた。




バシィッ!!!!




平助「っ…!!!!!!!」



重い……


一撃がこんなに重いなんて……


こんな細っこい体のどっから馬鹿みたいな力がでるんだよ




バシッバシッィ!!!!!!!



子供が攻撃をくりだす


なんとかそれを受けるが……



平助「(押されてるっ……!!!!)」




なおも攻撃はつづく



バシッバシッ!!バシィ!!



「かえせっ!今すぐ帰らせろっ!!此処はどこなんだよっ!


なにが目的だっ!!!!!!」



少年はそう叫びながら攻撃をやめない



ーーーーバキッ!!!!!!!





「!!!!!!!!!!!!????????」




少年の竹刀が折れた



一瞬、少年がうろたえた




ーーーーー今だっ!!!!




ドスっ!!




「……カハッ……………………!!!!」



一瞬の隙を突いて、少年の懐に潜り込んだ。




瞬間、鳩尾に拳を入れた。



少年は悔しそうに顔を歪めて……落ちた








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