志ーこころー 【前編】─完─
志乃「え?
馬鹿じゃない?嫌だよ??
なにが悲しくてこんなむさ苦しいもーすぐ三十路のおっさんなんかと寝起きを共にしなきゃいけない訳?
無理無理無理……。
……てか土方ってあたしの時代にまで残るほどの女ったらしだぜ?
むしろお前といる方が危険じゃね?」
言い切った……
松野志乃、一世一代の息継ぎなしトーク
ちょっとドやりたいぜ!
ドヤドヤ〜!!
土方に向けてどや顔をかます
──────────が、
土方「安心しろ、大丈夫だ。
なぜなら俺は女にしか興味ねぇ!」キッパリ
あたしのマシンガントークに怯むことなく、むしろ気にする様子もなく、この男は言った。
しかも軽くどや顔をかましつつ……。
……つまり……?
このあたしは女としては見れませんと?
俺から見りゃ〜まだまだ餓鬼だと?!
そういいたいんだなぁ?!そーなんだなぁ?!コンチキショーがぁっ!!
お前なんか縮んでしまえっ!!
毎日1センチづつ縮んでいけば、170日後にはお前はこの世とおサラバだっ!!
それともあれか?
毎日一本づつ髪の毛でも抜いてってやろ〜かああ゙ん??!
禿げちまえ!!
今すぐツルッと禿げてしまえっ!!
この女ったらしの三十路野郎〜!!!!
志乃「土方のクソ野郎ーーー!!!!」
あたしはなんともダサい捨てぜりふを吐いて、麩をバタンと閉めた。
土方「……おめぇらは……。麩を雑に開け閉めしやがって……………………。」
そんな時、沖田がのらりくらりとあたしの元までやってきて、
沖田「だめですよー」
そういって麩を開けた沖田。
沖田「土方さんが嫌なら私と相部屋……」
志乃「ヤダ」
沖田「即答……」
こんな馬鹿二人には付き合ってられんぞ。
あたしは屋根で寝てやる!
あぁそーだよ。
あたしの寝床は屋根のうえ。
いいじゃんいいじゃん、星がみえるさヘイヘイ。
──────ガシッ
スタスタと歩きだすあたしの腕を、むんずと掴んだのは沖田で……
なにすんだっ!という、あたしの言葉は遮られた。
何故なら
沖田「どこ行くんですか?これから歓迎会始めますよ?」
そう言った沖田は、例の笑顔を貼り付けたままだった。