短編集
From:由利
本文:
さっきはメールありがとう。私のこと、今でも好きでいてくれてるってわかって嬉しかった。
私もやり直したいって思ってる。

















「今度さ、浩貴さんと、うちの彼氏と四人で遊ぼうよ!Wデートしない?」


「……うん」


だからね、もう恋人のケータイは見ないって決めたの。

いらぬものを見て、もうあの時のように傷つきたくないから。





また……耳に残る声が頭の中に響いている。


彼女がつけてる香水が、最近の浩貴の胸についてる残り香と同じだから?


「ねぇ……ひろみ」


「なに?」


「――――」





知るのが、怖いの。

だから、ケータイは見ない。


傷つくくらいなら――知らないほうがいい。





「……今度、必ず四人で遊ぼうね――」

















From:ひろみ
本文:
この前は楽しかったよ!里香が仕事の日に、また連絡ちょうだいね(*^∇^*)

内緒で会うのってドキドキしちゃうよね!
今度はいつ会える?また浩貴とデートしたいな☆










Fin.


< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop