祭囃子の夜に
寮にも見放されたかなと考えていると、また着信音が鳴りだした。
今度は誠からのメールだった。
しかし、翔一はそれも開けて見ようとはせず、とうとう携帯の電源を切ってしまった。
勝手に練習を抜けて、勝手に寮も飛び出して。
皆、さぞかし腹を立てていることだろう。
かかって来た電話が、入ってきたメールが。
どんな内容なのか、確認するのが怖かった。
翔一は押し寄せる不安を押し込むように、布団の暗闇の中で無理やり眠りについた。