弁護士シリーズ作品第1弾!
『身勝手な弁護士』
〔僕が親父とお袋に電話を入れるから〕
そう言って晧覬は自分の携帯を鞄から取り出し電話をしだした。
〔親父?俺。瑠璃の携帯に電話したみたいだけどなんか用だったの?お袋も麻生のお義父さんお義母さんも瑠璃の携帯に電話をいれてるみたいだったからさ…。それで俺が今、電話してんだけど…〕
……………………。
何を話してるのか?内容が解らない…
不安だった。
〔その事かよ…。ちゃんと瑠璃が安定期に入ったら話すつもりだったんだよ!流産する時期だから言わなかったんだよ!言うと親父達みんなで家に来るだろう?精神的にも肉体的にも瑠璃に負担をかけたくないから俺が言わなくていいって言ったんだよ!〕
…………………。
妊娠してるのがバレちゃったみたい…
〔だから…。来るんなら安定期に入る再来月にしてくれよ!〕
晧覬…
半分イライラしだしてるよ…
〔あぁ。そうしてくれる方が俺も助かる〕
お義父さん晧覬が苛々してるのが分かったのかな?
〔いや…。いらない。家の事は俺がやってるから誰も手伝いなんか来なくていい。
今日は瑠璃も一緒に事務所に来てるよ。
少し疲れて寝てたからね。だから電話に出れなかったんだよ。〕