弁護士シリーズ作品第1弾!
『身勝手な弁護士』
もう2年?3年に成るね…
後藤の家…
達哉が22歳まで暮らした生活してた場所…
もう二度と来る事がない敷居も跨げない…
そう思ってた達哉の実家…
でも私は入れない…
入ってはいけない場所…
車から降りたまでは良かったのに…
門をくぐれない…
……………………。
どんな顔してどんな面をして達哉のご両親に会えばいいの?
どんな顔をして私は達哉に会えばいいの?
私は会えない…
俯いたまま…
涙だけが地面に落ちる…
これが私に対する酬いなんだ…
藤堂さん…
貴方は…
貴方はやっぱり冷たい冷徹な人だったんですか?
私に向けてくれたあの優しい顔。優しい声。貴方の腕や手の温もり全部この為だったんですか?
だとしたら…
貴方は私をそれ程、憎んでたんですね。怨んでたんですね。
私は貴方を好きに成ってました…
貴方と喧嘩ばっかりしてたけど私はとても嬉しかった…
楽しかった…
貴方に会うのが待ち切れ無かった…
だから…
だから私はお手伝いするって言ったのに…
毎日、貴方に会いたかったから…
それも叶わないんですね…