22年前のワシントンDC高校生
 空に飛び出した感触は、「ふわっと浮いた(汗)」である。

 しかし、ジェットコースターやフリーフォールと違い、この感覚はぞわぞわと楽しい。

 それ以上に、窓からの景色に心を奪われ、怖いどころの騒ぎではない。
 小さくなる町の家々、ビル、油絵具をべったり塗ったような海。指でなぞれるほどわかりやすい海岸線。富士山上空から見下ろす白い山。
 
 今のようにグーグルアースなどない時代である。このころのわたしたちは、なんにでも感動できて幸せである。
 
 羽田空港での着陸前も少し、心臓は高鳴ったが、急降下する遊園地のアトラクションに比べれば、優しい降下である。
 
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