はじまりはあの時から。
「それなら大丈夫ですね


では、さようなら」



「待てよ」


そう言って朝の男の人は私の手をつかんだ。




「朝のやつ、嘘だと思ってる?」



「そりゃね。

あんたみたいな見た目にそんなこと言われたら、信じるわけない」



「まあそうだな


お前、魁斗って名前聞き覚えない?」



んー、

魁斗、魁斗んー、


あ!


そういえば



「テストの日のときの人だ!」



そういえば


高校受験の日私が試験会場に早くつきすぎて、待っていたら…



「落としましたよ」


そう言って、私のハンカチを差し出してくれた男の人がいた。



「あ、ありがとうございます」



私、ハンカチ落としてたんだ。
と思っているとその男の人はすぐにどこかにいこうとしてしまった



私は何かお礼ができないかと考えた。


けど、ここにいるってことは、この高校に受験するってことだよね?


じゃあ今度会った時にお礼が言えるように…



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