おねいさんについて
が、時既に遅し。

彼の魔少年ビームで腰砕けメロメロにされてしまった奏多、シナッと少年にしなだれかかる。

「そ、そうねっ…年下の男の子が困ってるんだし…お姉さんが助けてあげちゃおうかしら…」

やだ私ったら、何言ってるの?

こんな年下の子に、誘惑するような事…。

「優しいんですねお姉さん…」

自然に!

ごくごく自然に肩抱きやがったよ少年!

「そんなに優しくされちゃうと、僕、お姉さんに本気になりそうだな…」

その言葉、その妖しい視線が、奏多を傀儡にしてしまう!

魔少年ビーム、エクストリィイィィィイィィイイムッ!

「な、名前っ…お姉さん、君の名前聞いちゃおうかなっ…ついでに電話番号とメアドとLINEと住所と…あぁんっ、もう私の部屋の合鍵あげちゃおうかなっ」

もうヘニョヘニョにされてしまった奏多を連れて。

(じゃあ兄さん姉さん、ごゆっくり)

肩越しに軽くウインクし、その少年…夕城 孔雀(ゆうしろ くじゃく)は人混みに消えていく。

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