中距離恋愛
嫉妬(ヤキモチ)と求婚(プロポーズ)

~夏帆Side~

剛から指定されたのは、駅近くにある和食レストラン。
時間は7時。
約束の5分前に左紀と一緒にお店に着いて『篠田』の名前を伝えると、個室に案内された。
4名掛の座敷には、剛と早瀬さんが向かい合って座っている。

「早瀬先輩こんばんは。
篠田さん、お久しぶりです」
左紀が挨拶をしながら早瀬さんの隣に座った。
私も左紀の後について座敷にあがり、剛の隣に腰を下ろした。

「こんばんは。
ついてばかりだけど、左紀ちゃんは飲み物ビールでいい」
剛が尋ねると左紀は「はい、大丈夫です」と頷いた。
それを確認した剛は、私と左紀を案内してくれた店員さんに
「すいません。
生を3つと、柚子サワーを1つお願いします」
とオーダーした。
店員さんが
「畏まりました」
と下がって行くと、私と左紀を交互に見ながら、
「料理は先に頼んだから」と言った。

「……………」
「……………」
「……………」
「……………」

「お待たせ致しました。
生3つと柚子サワー、アスパラのベーコン巻きでございます」
沈黙を破ったのは店員さんだった。



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