中距離恋愛
奥さんのみどりさんは、夏帆が男性が苦手なのを知っていて、なかなか¨うん¨と言ってくれないらしい。
それでも添田先生に粘り続け、直接みどりさんとも話をさせてもらって、なんとか夏帆に会わせて貰えることになった。
「篠田先生の粘り勝ちですよ」と、添田先生には言われた。

セッティングしてもらった日、俺は珍しく緊張して待ち合わせのファミレスに向かった。
どれだけ楽しみなんだ？
30分も前に着いた。
それから15分ほどして、添田夫妻がやってきた。夏帆もすぐに来るだろうからと、3人で中に入って待つことにした。

夏帆は約束の5分前に着いた。彼女に気づいたみどりさんが、
「夏帆、ここだよ―」
と呼ぶ。
夏帆がみどりさんの隣に座ると、
「夏帆。わざわざ来てもらってごめんね」
「夏帆さん。式のときはステキなピアノ演奏と歌を、ありがとうございました」
と挨拶する添田夫妻。
「とりあえず、食べながら話そう。
夏帆、何にする？」
みどりさんの言葉でメニューを見る。
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