中距離恋愛
夏帆と大地と植田さんとの食事に、予約したのは駅近くにある和食レストラン。
時間は7時から。
俺と大地は約束の10分前に店について、4名掛の座敷に、向かい合って座っていた。
それから5分ほどして、夏帆と植田さんが来た。

「早瀬先輩こんばんは。
篠田さん、お久しぶりです」
植田さんが挨拶をしながら大地の隣に座る。
夏帆も座敷にあがり、俺の隣に腰を下ろした。

「こんばんは。
ついてばかりだけど、左紀ちゃんは飲み物ビールでいい」
俺が尋ねると植田さんは「はい、大丈夫です」と頷いた。
それを確認した俺は、
「すいません。
生を3つと、柚子サワーを1つお願いします」
とオーダーした。
店員さんが
「畏まりました」
と下がって行くと、夏帆と植田さんに、
「料理は先に頼んだから」と伝える。

「……………」
「……………」
「……………」
「……………」

その後、しばしの沈黙…

「お待たせ致しました。
生3つと柚子サワー、アスパラのベーコン巻きでございます」
その沈黙を破ったのは店員さんだった。
< 141 / 317 >

この作品をシェア

pagetop