中距離恋愛
夕食後、旅館にお願いしてサプライズでケーキを出してもらった。

その後、
「そうそう。
俺からもプレゼントがあるんだよ」
俺はそう言うと、バックから小さな箱を取り出して、夏帆の前に置いた。

「えっ…?!
だって、さっき、ピアス買ってもらったよ」
「そうだけど…。
1番はこっちを受け取って欲しいんだ」
「ん、分かった。
開けてみていいかな?」
「あぁ」
夏帆を見ると、多少は期待しているみたいだ。
中を見て笑顔になる。

「夏帆。左手出して」
言われるままに左手を出した彼女。その薬指に指輪を嵌めながら、

「夏帆。俺と結婚してください。
前にも言ったけど、大地と付き合っていた過去も含めて、今も、これからもお前を愛していくから」
想いを込めてプロポーズをした。

返事はなく、涙を流す夏帆に、
「返事は俺の誕生日までな。
まあ、『YES』しか聞かないけど…」
そう言うと、やっと
「ありがとう。
私で良ければ、よろしくお願いします」
そう返事をしてくれた。



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