中距離恋愛
店員さんが下がって行くと、

「……………」
「……………」
「……………」
「……………」

しばしの沈黙…

「お待たせ致しました。
生3つと柚子サワー、アスパラのベーコン巻きでございます」
その沈黙を破ったのは店員さんだった。

「とりあえず乾杯するか?」
みんなの前に飲み物と先付けが置かれたのを見て、俺は提案した。

「そうですね」
植田さんが言ってくれて、それと同時に剛と夏帆がグラスを手にしたのを確認して、
「じゃあ、かんぱーい!」と音頭をとると、

「「かんぱーい!」」

と4つのグラスがカチンと音をたてた。

そのあと料理が運ばれてきて、テーブルがいっぱいになる。
腹が減っている俺は、早速料理に箸をつける。
しかし、管理栄養士と言う仕事柄か、植田さんはその野菜中心のメニューをじっくり見て、喜ぶの声をあげていた。
確かに女性はカロリーを気にせず食べられていいかも知れないが、20代の男性からすると物足りない。
そう指摘すると彼女は、
「参考にさせていただきます」
と頭を下げた。

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