中距離恋愛
結婚と仕事について
2泊3日の旅行からの帰りの電車の中、私の左手薬指には、昨日、剛から貰ったエンゲージリングが輝いていた。
保育士と言う仕事柄、普段はつけることは出来ない。でも、彼と過ごせる少ない時間はつけていたかった。
彼が私を思ってくれているのと同じくらい、私も彼を思っていると知っていてほしくて…

「なるべく早く、お互いの両親には話そうな。
挨拶も早くしたいし…。
式について親の意見も聞きたいし、新居のこととか、夏帆の仕事のこととか、決めなくちゃならないことはたくさんある。
とりあえず俺は、うちの親に連絡して夏帆の都合のいいときに会ってもらいたい」
「うん。
私も剛のこと、両親に話すね」
こんな会話をしていると、昨夜のプロポーズが夢じゃなく現実だと信じられる。

剛と別れ部屋に着くと、早紀が目ざとくリングに気づく。
彼にプロポーズさるたことを教えると、
「おめでとう、良かったね」と祝福された。

彼女にお土産を渡し着替えると、やはりお土産を持って実家へ向かった。
「今から行くから」
と言うと、母は嬉しそうに
「待ってるから」と言ってくれた。
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