中距離恋愛
そんな重い空気を変えたのはやはり母で、
「せっかく家族が揃ったのだから食べちゃいましょう。
夏帆の話しはそれから聞くわね」
そう言うと、また他愛ない話しをしながら食事を続けた。

ご飯を食べ終わり、父が買ってきてくれたケーキを食べながら、話しの続きをする。
やはり口火を切るのは母だ。

「夏帆。
さっきの話しだけど…」
「あっ、うん」
私は紅茶を一口飲んで話し出した。

「…えっと。
昨年の末くらいからお付き合いをしている人がいます。
年は2つ上の25歳。
仕事は中学校で英語を教えているの。
実家は〇〇なんだけど、今年から××の中学校に異動になったから、今はそっちで部屋を借りて1人暮らししてるの。
で。先日、その彼にプロポーズされました。
近いうちに、私の親に挨拶をしたいと言ってくれています」
剛に関することを説明する。

「あら、そう…
御実家が〇〇なのは近くていいわね。
でも、そうね。
教室だと、やはり遠くの勤務地になることもあるわね」
そう言うのは母。

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