中距離恋愛
「じゃあ結婚したら、お姉ちゃんも××に行っちゃうの?」
そう聞いてくるのは美冬。

「いや。まだ決まったわけじゃないけど、結婚したら一緒に暮らすつもりだけど」
私は答える。
「そっかぁ。お姉ちゃんもお嫁に行っちゃうんだね。淋しいな」
「いや、美冬。
先の話だから、大丈夫だよ。
あちらの両親にも、まだ
挨拶してないし…」

私たちの会話を聞いていた父が、
「相手は教師なんだな?
学校が始まってからでは忙しくなるだろうから、相手が良ければ今度の土日でもワシはかまわないが。
母さんはどうだ?」
「お父さんがいいなら、私も合わせますよ。
夏帆、どうなの?」

父と母に聞かれて、
「うん。じゃあ、ちょっと聞いてみるね」
そう言って携帯を手に立ち上がると、美冬が待ったをかける。
「え~っ!
今度の土日は、私、仕事仲間なんだよ。
お姉ちゃんの彼氏、見れないじゃん」

そんな美冬を父が一蹴!
「なにも美冬の予定に合わせる必要ない!
夏帆の結婚が決まれば、いつでも会えるんだから」

< 174 / 317 >

この作品をシェア

pagetop