中距離恋愛

タンス·クローゼットを見回して、薄いブルーのＴシャツと黄色い膝下のフレアスカートを合わせることにした。
着替えて鏡を見て、髪をハーフアップにし、いつも通りにメイクする。
そして、鏡の横のハンガーにかけてある服を見る。
明日、剛の家に着て行く予定のモスグリーンのノースリーブのワンピースと、オフホワイトのボレロだ。
…おかしくないよね？
早紀も「いいんじゃない？かわいいよ」と言ってくれたし…

いろいろ不安な気持ちを紛らすために、アップルティーをいれた。
フルーツの甘い香りが気持ちを落ち着かせる。
ゆっくり時間をかけて、アップルティーを飲んだ。

ピンポ～ン♪
そうしているうちに剛が部屋に来た。
「ごめん夏帆。
ちょっと荷物置いて、着替えさせて」

彼はＴシャツにジーンズと言うラフな格好をしていた。
それを脱ぐと、Ｙシャツにズボンに着替える。
私は彼に麦茶を出した。
コップを受け取り、一気に飲んだ彼は、コップをテーブルに置くと私を抱きしめた。
そして、
「ごめん。
これでも緊張してるんだ。しばらくこうして、勇気をちょうだい」
そう言った。