中距離恋愛

家に着くと11時半過ぎ。
急いでお昼時を食べ、剛の家に行く準備をする。

ワンピースを着て、髪は両サイドを編み込みにして、前髪と後ろは下ろして。
メイクはナチュラルに。
ピアスは剛にもらったものを。
左手薬指にも、ちゃんと彼にもらったエンゲージリングもつけた。
白いセカンドバックと、同じく白いヒールの低いパンプスを履く。

準備をしている間に、
¨今から迎えに行くから¨と、剛からメールが届いた。
玄関に鍵をかけると、
¨着いたよ¨とのメールが届く。
私は、彼の元へ急いだ。

「お待たせ」
そう言って彼の車に乗り込む。
「いや。俺も今来たところだし、全然待ってないから」
剛はそう言いながら私を見た。
そして、少し照れながら
「なんか、気合い入ってない？すごくかわいいんだけど…」
「えっ…？」
「俺の家族に会うだけなんだから、そんなにオシャレしなくていいのに」
「あっ、と…いや。
そんなわけには行かないでしょう？
昨日、剛だって、ちゃんとスーツ姿で私の両親に会ったんだから」
「…まぁ、そうだな」
「うん、そうなの」
「とりあえず行くか」
剛はそう言って、車を出発させた。