中距離恋愛

「父さん…」
お父さんの言葉を聞いて、剛が小さく呟く。
私は剛を見た。
すると、剛も私を見た。
私たちは微笑み合うと、
「「ありがとうございます」」と、ご両親に向かって頭を下げた。

それからしばらく、5人で談笑した。

葵ちゃんは、
「お兄ちゃん、昨日、美冬に会ってないんだ！
じゃあ、夏帆さんの結婚相手が私のお兄ちゃんだって知らないんだよね。
ねぇ夏帆さん。美冬に、私から教えてもいいですか？
美冬、びっくりするだろうなぁ！」
と、はしゃいでいて。

お父さんとお母さんは、
「夏帆さんのご両親にも、早く挨拶しないとね。剛、来月は帰って来れないの？
そういえば夏帆さんは、お仕事どうするの？
保育士さんだと、年の途中で辞められないわよね…」
「…母さん。
そんなに慌てなくてもいい。
2人のことなのだから、2人のペースで進めればいい。
私たちは、2人が困ったときに助けてやればいいんだよ」
と、話してくれた。

お互いの家族への挨拶もうまくいき、¨結婚¨に向けて、1歩進んだ剛と私だった…