中距離恋愛
「…私より、左紀の方が上手だよ。栄養士の資格もあるし…」
「…そっかぁ。
左紀さん、お願いします」
今度は左紀に頼んでいる葵ちゃん。

「…ねぇ葵。彼氏でも出来たの?」
あまりに真剣な葵ちゃんに美冬が聞いた。

「ん~。彼氏じゃなくて、好きな人」
答える葵ちゃん。
「好きな人って、さっきの人?」
「さっきの人?
あぁ、違うよ。大地さんはお兄ちゃんの友達」

聞こえてきた名前に、左紀と2人で顔を合わせた。
「大地さんって、早瀬大地先輩?」
聞いたのは左紀。
「…そうですけど。
そういえば、夏帆さんと左紀さん、大地さんと同じ高校でしたね」
「…うん、まぁね」
「なに、お姉ちゃん。
あのカッコイイ人、知ってるの?」
すごく驚いている美冬。
確かに大地、カッコイイよね。

「そうそう。
私と夏帆の高校の先輩。そして、夏帆の元カレ。美冬ちゃん、知らなかったの?」
平然と答えたのは左紀。
まだ酔ってるわけじゃないのに、そんな爆弾落とすことないじゃない!

案の定、美冬と葵ちゃんは、
「えーっ!お姉ちゃんの元カレ?」
「えっ?夏帆さんと大地さんが付き合ってたんですか?」
と驚いている。

< 211 / 317 >

この作品をシェア

pagetop