中距離恋愛
これはやっぱり、正直に答えた方がいいよね。

「よしっ!
じゃあ夏帆から、恋愛遍歴を話してもらおうか」
と、なぜか左紀が仕切る。

「いいですねぇ。夏帆さん、話してください」
「私、お姉ちゃんの彼氏って剛さんしか知らないよ」
美冬と葵ちゃんにも促されて、私から話すことになった。

グラスのワインを飲み干し、缶チューハイを一口飲んで、私は話し始めた。時々、左紀が説明を加えてくれる。
大地さんと仮で付き合うことになったことから、剛と再会して婚約に至るまで、過去の恋愛について話した。

「へーっ。
じゃあお兄ちゃんは、夏帆さんと大地さんが付き合ってたこと、知ってるんですね?」
話し終わると、葵ちゃんに聞かれた。
やはり、大地さんとのことが一番気になるみたいだ。

「うん」
「それでも、お兄ちゃんから告白されて付き合い出したんだ。
…やっぱり夏帆さんも、お兄ちゃんに一目惚れしたの?」
葵ちゃんは厳しい。
この問いには、左紀が答えてくれた。

「…あのね。
篠田さんは、夏帆の初恋の人なの」

左紀の言葉に、
「えっ!?どう言うこと?」
と、美冬と葵ちゃん。
左紀がゆっくり話して始めた。




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