中距離恋愛
「美冬ちゃんも、葵ちゃんも、中学は違うよね」
頷く2人。
「私と夏帆、篠田さんと大地先輩も別の中学だけど、同じバスケ部だったの。
私たちが1年、篠田さんたちが3年の中体連で、私たちの中学と篠田さんたちが決勝で対戦して、そのとき夏帆は篠田さんを好きになったみたい。
高校は私と夏帆と大地先輩が一緒で、篠田さんだけが別だったの。その高校時代、夏帆と大地先輩が付き合ってたの。いろいろあって別れたけど。
それから何年かたって、夏帆と篠田さんが友達の結婚式で再会して、付き合い始めて、婚約をした…と。
夏帆と篠田さんと大地先輩の関係を簡単に説明すると、こんな感じになるのかな。
分かった?」

左紀の説明に、美冬も葵ちゃんも、
「はい」
「はい、分かりました」と頷いた。
それを聞いて、
「じゃあ良かった」
と、左紀も微笑む。
そして、
「ねぇ。葵ちゃんってさ、大地先輩のことが好きなの?」
と、逆に葵ちゃんに質問をした。

「えっ?」
葵ちゃんは驚いているが、話をしていて私でも気づいたこと。
鋭い左紀は、やっぱり気づいたみたいだ。

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