中距離恋愛
『1時半より、男子の決勝戦·3位決定戦を行います。
繰り返します。………』

女子の決勝戦と3位決定戦が終わり、男子の試合が始まる時間がアナウンスされた。

また会場内が、静かな緊張感に包まれる。

そのとき、私の携帯がメールを受信する。
開いてみると剛からで、

『応援ありがとう。
来てくれるとは思わなかった。男子の決勝も見て行って。
そのあと表彰式で4時には終わると思うから待ってて。
帰り、送って行くよ。
車は、バス駐車場の近くに停めてあるから』

今日は話し出来ないと思っていたから、すごく嬉しい。

簡単に、
『了解、待ってるよ。
男子もガンバレ』
とだけ返信した。

コートを見ると、携帯を見てから、私の方を見た剛と目が合う。
小さく頷いて笑顔をくれる彼に、私も笑顔を返した。

『3分前です』
コールされ、アップをやめてベンチに戻る選手たち。

その後、女子のように1人1人、名前を呼ばれる。
コートに立つ選手たち。
まるで.10年前の剛を見ているみたいだ。



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