中距離恋愛
男子の試合は女子と違って、とってとられてのシーソーゲーム。
一瞬でも目が離せない!

そんな中、気になるのは、剛のチームの5番。
ポジションはPG。
正確なパス。
キレのあるドリブル。
スピードのあるドライブ。
どれもが中学時代の剛を思い出させる。
特に似ているのが、視野の広いゲームメイク。
パスか…
ドリブルか…
シュートか…
一瞬の判断が求められるバスケ。
その時その時で正解なんてないけれど、彼の判断が全て正しく思える。

それでも点差がつかないのは、そんな攻撃の中心の彼が、きっちりダブルチームされているから。
ほかの4人で頑張っているけれど、パスはコースを読まれ、シュートは打たされ、リバウンドも取れない…オフェンスは単調で、ディフェンスは相手に振り回されている。
どう修正するのだろう?

1ピリは8対7の、1点リードで終わる。

2ピリ、メンバーを変えて来た。あえて5番を下げて10番を入れる。
そして、4番と10番の2人のパス回しでボールを運ぶ。
1ピリとは違う試合運びに、相手チームが戸惑っているのが分かる。
…多分、これが剛の狙いなんだろう…

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